顔の立体構造に着目
RFとEMSの同時出力で探るエイジングケア
年齢を重ねた肌をすこやかに生き生きと保つお手入れ、それがエイジングケア。化粧品でお手入れをしていても立ち向かいきれない〝顔つきの印象変化〟に対応するのが、パナソニックビューティの技術研究。具体的なアプローチについて、コアテクノロジーの開発を担当する今井文吾にインタビュー。
顔つきの印象を作るのは、見えている肌だけではない
年齢を重ねると、スキンケア化粧品で肌を保湿してしっかり整えているはずなのに、鏡に映る顔つきの印象に以前と違う、微細な変化を感じる。多くの人が感じているこの変化の正体は、肌表面(角層)のケアだけでなく、顔の〝立体構造〟に目を向ける必要があると、今井は語る。
「私たちの顔の印象を作るのは、肌表面の角層を含む表皮、その奥にある真皮、さらに奥の皮下脂肪、そして表情筋という、異なる役割をもつ組織が重なり合う立体構造です。スキンケア化粧品は主に肌のごく表層を整えるものですが、顔つきの印象には、その奥にある真皮や表情筋の状態も関係しています。年齢とともに、それぞれのレイヤーに変化が現れてくるのです」
肌の表層をケアする日々のスキンケアに加え、その奥にある各層に対しても適切なケアを行うことが、年齢を重ねた肌のエイジングケアには欠かせないのだ。
「肌の深層とその奥では、加齢などに伴ってふたつの変化が起きています。ひとつは、肌の深層である〝真皮〟のコンディション変化。真皮にはハリを保つコラーゲン線維と弾性線維であるエラスチンが張り巡らされており、クッションのように肌のハリを支えています。これらの質や量が低下することで、ハリの低下やたるみが生じ、顔つきの印象変化につながります。もうひとつは、肌や皮下脂肪を下から支える〝表情筋〟の機能低下です。表情筋をあまり使わない生活習慣や、加齢によって表情筋の筋力や機能が低下すると、顔全体がモタついた印象に見えやすくなります」
この真皮と表情筋が、顔の印象を内側から支える〝土台〟を構成しているとパナソニックは考えている。
RFとEMSは、アプローチする場所が異なる
つまり、土台を構成する真皮と表情筋というふたつの層をケアすることが、エイジングケアのカギになるというわけ。パナソニックビューティでは、これらの層にアプローチする技術の研究を続けている。
「エイジングケア研究でも着目されているラジオ波、つまりRFは、出力や使用条件によって、真皮を効率よく加温することが可能な技術です。温めるとコラーゲンやエラスチンの生成に関わる線維芽細胞の働きが促されたり、コラーゲンを守るHSPというタンパク質が誘導されたりして、肌のハリを保つことにつながります。一方、表情筋への働きかけに用いるのがEMSです。EMSも、出力や条件によって、電気刺激により表情筋を動かし、肌の引き締めが可能な技術です」
年齢を重ねた肌には、RFとEMSで、土台を構成する真皮と表情筋の両方へ働きかけることが大切だ。さらにもう1点、重要なポイントがあるという。
RFとEMSの同時出力「クロスアプローチ」
「顔つきを作り出す各レイヤーの研究を重ねる中で、RFで真皮に、EMSで表情筋に、タイムラグなく同時にアプローチすることが重要だということがわかりました。RFで真皮を温めると、肌の通電効率、つまり電気の通りやすさが向上します。EMSは電気刺激なので、RFで温めながらEMSを与えることで、より効率的にEMS電気刺激を表情筋にとどけることができるのです。これがパナソニックビューティの『クロスアプローチ』です」
RFを与えることで肌は一時的に40℃程度にまで温まるが、加温を止めれば、恒常性によってすぐに皮膚温は低下してしまう。RFとEMSをタイムラグなく同時に出力することで、RFで真皮へ働きかけながら、電気が通りやすくなったタイミングでEMSの刺激を表情筋まで届けることができるのだ。
「EMSで表情筋を動かす習慣をつけるだけでもハリケアの一助にはなりますが、その上にある真皮にも同時にアプローチすることが大切です。真皮と表情筋は、顔印象を支える〝土台〟を構成する2つのレイヤー。RFとEMSをタイムラグなく同時に出力することは、顔の各層が連動する立体構造を踏まえた、理にかなったエイジングケアのアプローチです」
パナソニックビューティでは、安全性と有用性の両立を目指し、RFの出力やEMSの組み合わせについて、研究を重ねている。さらにふたつを同時出力する「クロスアプローチ」にこだわることで、より満足度の高いエイジングケアを目指している。
プロフィール
今井文吾(いまいぶんご)
1980年、宮崎県生まれ。大学では生体医工学を専攻し、その経験を活かして新たな価値を創りたいと考えて2006年に入社。長年にわたり、ビューティ&ヘルス関連機器の開発を担当する。現在はフェイス・ボディケアの技術開発を担当。電気や光などの物理的刺激が生体へ及ぼす作用を科学的に見極め、技術に応用している。
- インタビュー内容は2026年8月現在のものです
- 「Panasonic Beauty Laboratory」に掲載の情報は、当社の研究や開発の取組み内容です